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2007年10月 4日 (木)

東浩紀さんとか桜坂洋さんとか安倍吉俊さんって本当に凄い人たちなんですね

Photo2ギートステイトの週アス連載も残すところあと一ヶ月。もともと「2045年の週刊アスキーをつくる」というコンセプトで始まった連載でしたが、毎月一回の鼎談が楽しみで楽しみで・・・。

僕は体調を崩したり海外出張したりしてしまって、途中二月ほどいないんですけど、それでも毎回、東さん、桜坂さんから飛び出す奇想天外なアイデアの数々に舌を巻きっぱなしで本当に頼めました。

一昨日はひさしぶりにその鼎談があったのですが、一年近く連載を続けて初めて講談社、アスキー両編集部の方を交えて飲み交わしました。まあ途中からよく覚えていなくて、きっとひどいことをしたのだと思います。ごめんなさい>ご関係者の方々

いい感じに酔って来たところで

「やっぱギートステイトの絵って、安倍さんにお願いするべきだと思うんですよねー。絵柄的にあれほどハマる人はいないですよ」

と言うと、桜坂さんから

 「清水さんは安倍さんの凄さがぜんぜん解ってないんだと思いますが、安倍さんっていったら、日本で五指に入る大画家ですよ!そう簡単に仕事なんか引き受けてくれないですよ」

と怒られ、その勢いで「じゃあ安倍サンにいまからお願いしに行こう!」と言って阿佐ヶ谷強襲。真夜中に安倍さんを東さんたちに紹介したのですが、その後のことは覚えておりません。ほんとすみません。ご迷惑おかけしました。

そして昨日はうちの新入社員に

 「清水さん、東浩紀さんから本をもらって一冊も読んでないってのは犯罪的ですよ!あの人がどれだけ凄いか知らないんですか!?」

と怒られ、「賢いのは知ってるけど、どれだけ凄いかなんかわかるわけないだろ」と口答えしたものの、どうも悔しい。

会社に戻ると、なんだかひどい落書きみたいな内容の本が届いていて、「なんだこれは」とよく見ると、著者が東浩紀氏になっていて、うすらぼんやりと記憶をたどると、そういえば酔っぱらって

「東さんの言ってることの1/1000も理解できてない僕が東さんの台詞を理解するにはどこから始めればいいんですか?」

と聞いたときに

「やっぱり、存在論的郵便的マンガ版でしょう」

という話で満場が一致し、その場で何冊かケータイamazonで購入したのでした。それにしても早い。酔っぱらってもIT革命。酔ったときに注文して翌朝届くっていうのが凄いけど、それ呼んで翌日にはもう脳がデリダですよ。

それでマンガということもあって確かに読みやすいので、いざ読んでみるとこれがかなり面白い。解りやすい。凄いぜ東さん!

なるほどポストモダンってこういうことなのね、と思ったりおもわなかったり。いや、きっと解ったつもりで解ってないんだとおもうけど、それでもなんだか得したような気分になれる、哲学書を読んで面白いと思った経験なんかない僕としては大収穫でしたよ。これは。

桜坂さんと東さんの物語構成力がずば抜けているのはギートステイトの連載を読んで知っていたつもりですが、本業ではさすがにもっとずっと凄いのね。

そういえば途中まで読んで入院してしまった「動物的ポストモダン2」も確かにわかりやすくて面白かった。
なんだ、凄い作家なんじゃないか東さんは!

・・・と、今頃気づく自分という人間が、本当にアホだなと思う訳です。

でも他人の評価って良く解らなくて、僕は基本的に「凄い」と思う人はたくさんいます。東さん、桜坂さんと会ったときは「ギートステイト」のコンセプトそのものに全身に電撃が走るほど痺れたし、会った瞬間から好きになった。けれどもその人がその業界でどれだけ有名だとかどれだけ評価されているかとかは知らないし興味もない。周りの人が騒ぐから

 「どうも凄いらしい」

ということしかわからないのです。

僕はさすがにゲーム業界の偉い人がどれだけ凄いかはなんとなくわかるつもりで、それは水口哲也さんだったり遠藤雅伸さんだったり、桝田省治さんだったり森田和朗さんだったりに会ったときはさすがに緊張したし、久夛良木健さんなんかは今でもすれ違っただけで緊張します。

けれども、業界の外の人たちというのは、本当に良く解らないし、ブレイクする直前の猫ひろしさんと仕事をしたときも、「凄く礼儀正しくてテンションの高い芸人」としか思えなかった。そういう自分はつくづく人を見る目がないのかもしれない、と思ったりもします。

結局、その人の社会的評価はやっぱり僕にとってはあまり重要な意味がなくて、その人のやってること、言ってること、作ってるもの、出してること、そういうものが「面白いか、面白くないか」「凄いか、凄くないか」ということだけが重要で、社長としても、いろいろな大富豪と呼ばれる人たちとも会ったけれども、大富豪業界の序列が良く解らないので凄いのか凄くないのかはわからない。でも彼らの言ってることが「凄い」と思えることだったり、やっていることが「凄い」と思えることだったりするとき、僕は初めて「この人って凄いんだ」と認識するのです。

ただその認識も、「個人的に凄いと思います」の域を出ていなくて、それがもう業界ナンバーワンなんだとか、宇宙一だとかということはやっぱり僕はよくわからないんですよね。

昔CEDECの立ち上げのときに、

 「CGのことを基礎から解説する講座をやった方がいいと思うんだけど、誰かいい人いないかな」

という話になったときに

 「先週読んだこの本が凄くわかりやすいから、誰だかしらないけどこの人に解説してもらったらいいと思いますよ」

と言って差し出した本の著者が西田友是先生だったという、今考えれば赤面もののとんでもないことを言ったりしていたことを考えても、どうも僕は世間というものに疎いようです。

そんな凄いひとたちに囲まれて幸せです。でも本当に尊敬しているんです。
いろいろ無礼なことを口走ったりしていますが許してください。

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