アップルは一刻も早く信頼回復に努めるべき
こちらにも書いたけれども、今回のiPod touchの事態をアップルはもっと深刻に受け止めた方が良いと思います。
僕はアップルという会社を心から尊敬していて、その製品をこよなく愛しています。
身の回りにはMacBookPro, MacPro(6GB RAMに増設済み)、MacBook、MacMini(二台)、iMac(新旧四台)、iPod全世代などなど、いまの僕はアップル製品に囲まれて暮らしています。これもごく数年、ここ数年で僕におきた大きな変化です。
僕が最近のアップルに惚れ込んだのは、その製品のデザインとコンセプトの素晴らしさです。そして実用性です。
僕は身の回りの人にアップルを勧めています。少なくとも身の回りで5人以上のプログラマがMacに移行しました。
ところがアップルはiPod touchで、あろうことか海外バージョンのWindowsで動作確認をきちんとしないまま出荷するという前代未聞の大失態を犯してしまいました。

これはアップルの世界戦略、とりわけiPhoneをとりまく状況に対してはとんでもない失策です。
クパチーノは午前五時ですが、誰か電話してジョブスCEOを起こしてあげた方が良いと思います。
この現象は、電池が爆発することよりも、Safariのβ版が正しく動作しないことよりも遙かに深刻な事態です。
なにしろ世界で最もiPod touchを心待ちにしていた、米国在住以外のユーザ達を全力で裏切っていることになるからです。
僕は今回、iPod touchを買うのは見送りました(なぜならiPhoneがあるから)が、うちの社員もアップルという会社の高い製品開発能力を信じて5人も買っています。
彼にしてみれば額に汗して稼いだ大切な給料の何分の一かを、アップルの新製品のために支払ったわけです。
彼らの失望感は想像すらできませんが、せっかくの連休に訪れたちょっとした喜び(iPod touchが届いた!)と、その直後に襲ってきた失望感は相当なものと予想されます。
もちろん会社にくればMacは山ほどありますし、一度アクティベーションすれば問題ないという考え方もできます。
しかし、そもそもそういう対応が必要になるという時点で、アップルの製品開発能力、とりわけテスト能力に関して大きな疑問を抱かざるを得ません。
僕はひとつの会社の代表として、テストの重要性を認識しているつもりですが、確かにテストしてもダメな場合はあります。
とはいっても、想定動作環境で一度でも試せば解るような不具合を残したまま出荷するというのは、あの悪名高きマイクロソフトですらやったこともないことです。
マイクロソフトの新製品は出荷時に1万以上の「既知のバグ」を抱えたまま出荷されると言いますが、全く起動しないなどあまりにも致命的なバグ(ショーストッパーと呼ばれる)に関しては全て駆逐してから出荷するようになっているそうですし、実際のところ、全く動かないということはありません。
しかし今回のiPod touchに関していえば、どうやら全く動かないようなのです。
全言語バージョンのWindowsで試すのは確かに難しいかもしれませんが、少なくともアップルに少なからぬ恩恵をもたらしている日本市場、経済力でいえば世界第二位の日本市場を完全に無視したかたちで米国外向けの戦略商品(つまりiPhoneの代替物としてのiPod touch)を出荷するということに、どれだけの意味があるのでしょうか。
もし動作確認すらしていないなら、最初から「対応機種」に入れないことです。
仕様には最初からWindowsVista/XP対応と銘打たれています。まさか「英語版Windowsのみ」とは誰も思わないでしょう。
アップルの現地法人も、まさか自分たちでただの一度も試さずに出荷していたということなのでしょうか。
β版のSafariはともかく、製品として出荷しているiPod touchの動作確認を怠ったという責任は非常に重いとしか言いようがありません。
今は21世紀です。80年代の、マイコンメーカーといえばガレージで適当にやってるメーカーしかなかったような、おおらかな時代ではないと思うのですよ。
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