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2007年7月 7日 (土)

画期的なアイデアは常に思わぬ人が考え出す

僕は社内でブレインストーミングを良くやります。

重要な案件に関しては必ず全社員でブレインストーミングをします。

毎週月曜日に全体会議があるのですが、毎回そこで僕は「校長先生の話」と称した小話をします。

この小話の目的は、経営トップの価値観や意志をダイレクトにクルーに伝え、「社長ならこう考えるだろう」という意識を持って貰うためです。

とても幸運なことに、僕には常に「清水はきっとこう考えるだろうから、この対応はこうするべきである」と考えてくれる人たちに囲まれています。彼らとはとても高いレベルで考え方がシンクロしていて、たいていの場合、僕がくどくどと説明しなくても、二言、三言言うだけで、その背景にある哲学や考え方を瞬時に理解してくれる人たちが沢山いて、そういう人たちに支えられて今の自分はあります。

「清水の考え方」でまずい場合には、相談されることもあります。

今の規模であれば、少なくともアルバイト、社員を含めたクルー全員が僕と価値観や判断基準を共有すべきです。

クルー個人の主義主張はともかく、「この会社はこういう会社である」という意識を持って貰う必要があります。

それと同時に、自分で考えたアイデアが具現化する会社でもある、と思って欲しいと考えています。
そのとても典型的な例が、全員参加のブレインストーミングです。

ブレインストーミングを行うとき、重要なのはそれぞれの個人が優秀なことではなく、多種多様の個人を集めることです。

だとすれば、ふだん外に出ている大学生のアルバイトや事務の方がWebアプリケーションに関してとても画期的な視点でものを言うことが出来る場合もあります。

ブレインストーミングをやらない場合でも、常に「この会社は自分なりの見解を求められる会社だ」という意識をもって欲しいと考えています。

そこで僕は毎週なんらかの話をしたあとに、必ず何人かに感想を言って貰っています。

たとえば「iPhoneという電話があって、このビデオを見よう」といってiPhoneのガイドツアーを一通り見せて、その後、何人かのクルーに感想を求めます。

プログラマなら

 「あのUIを実現しているライブラリがどんな構造になっているのか気になる」

などと答えますし、事務の女の子は

 「なぜ説明している人が男なのに七分丈のシャツを着ているのか気になる」

と答えます。後者の答えは全く新鮮なもので、iPhoneの説明ビデオに新たな側面を与えます。なぜ七分丈なのか、なぜ黒背景に黒い服なのか、そこに隠された意図はなにか、といったことに目が向きます。

どんな場合でも、常に自分なりの答えが求められるのがUEという会社です。
その上で会社として共有すべき判断基準を適切に共有することが大切です。

言われた仕事を言われるがままにこなしているだけでは、UEでの評価は上がりません。

以前、アプレッソの小野さんたちが「イノベーションテスト」というのをやっていて、これは企業のイノベーション性を計るものですが、そのなかに「売上に貢献したことではなく、独創性が個人の評価基準になっている」というものがあり、そこに参加していた人たちの会社は意外にもほとんどその条件を満たされていませんでした。

UEに関して言えば、独創性こそが命で、独創性があって売上に貢献しないほうが、独創性がなくて売上に貢献することよりも尊いと判断しています。

なぜかと言えば、僕はUEという会社を通して人類社会の発展、科学技術の進化に貢献することを第一の目標に掲げているからです。

僕にとって、UEという会社はもちろん永続すべき使命を背負った組織で、そのために拡大を続けることは前提条件となっていますが、それ以上に第一の目標である人類社会への貢献が優先されます。

会社はどんな事情でいつ潰れてしまうか、もしくはその姿勢を維持できなくなってしまうかわかりませんが、独創的なアイデアは会社がなくなっても残ります。それこそが人類への貢献だと思っています。

かつてのフェアチャイルド社やマイクロコンピュータを生み出したビジコン社のように、独創的な発想でものを創り出し、人類の発展に大きく寄与したけれども消滅してしまった会社は無数にあります。

そういう存在は、たとえ会社が消えてしまっても、ビジコン社の電卓を実現するためにインテルに委託開発されたマイクロコンピュータは、現在のIntel CoreDuoプロセッサの基礎になっていますし、フェアチャイルドの半導体技術はそもそもインテルの基礎になっています。

独創性をもとに製品展開をしていくことこそが技術企業の果たすべき社会的使命だと思っています。

そして同時に、僕らは商人である前に科学者であるべきで、逆に科学者であるけれども商人でもあるべきだと思っています。

そういうときに専門家の視点はもちろん大切ですが、専門家でない人の視点も同じくらい大切なのです。
それだけでなく、いろいろな分野、いろいろな土地、いろいろな風土に触れることが独創性をはぐくみます。

似たような話で、僕の尊敬する水口哲也さんは「クリエイティビティは移動距離に比例する」と言っています。

僕が積極的に出張をしようと思ったのはまさしくこの「移動距離に比例するクリエイティビティ」を求めるが故です。

水口さんはたえずスペインとかソウルとかに行っていて、そういうあたりで発想されたアイデアや言葉のひとつひとつは、やっぱり発想の幅が広いな、スケールが大きいな、と感じます。

まあそんなわけで、これから水口さんの参加するLive EARTHを見るため、飛行機に乗ります

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