成功するかどうかに、「頭の良し悪し」は無関係
中島聡さんのその「頭がいい人は成功して当然」という発想が甘すぎると、その元ねたである頭のいい人が成功できるかどうかの境目について盛り上がっていますが、似たようなことについて最近思ったこと
中島聡さんがどういう人なのか、良く知っている人と、そうでない人でこのエントリーに関する評価というか、感想が変わってくると思うのですが、要するに中島さんは頭の良さで言えばずば抜けていたわけです。
シアトル在住時代に中島さんのもと同僚の方としばらくお仕事をしていたことがあるのですが、彼曰く、「中島さんは、天才過ぎる」と言っていました。
もちろんシアトルでも中島さんは有名人で、僕も自分のいた会社のファウンダーとして中島さんにお会いしたことがあります。
その中島さんが言う、「頭が良いからって成功するという考えが甘すぎる」という発言は、コメントの多くで指摘されているように、彼自身の持論でしょう。それは敢えて書かれていませんが、大学の同級生にも、職場の同僚にも、圧倒的な知性の差を見せ付けて「天才過ぎる」と言わしめるほどの眩いばかりの才能を持った中島さんだからこそ発言に重みがあると思うのです(それ以外の発言に関してこのエントリでは問題にしません)。
僕は独立して会社を始めるにあたって、数多くの「成功者」と呼ばれる経営者の方々と会いました。そしてまた、逆に数多くの「失敗者」と呼ばれるかつての成功者の方々とも会いました。 そういう方々との邂逅を重ねることで、自分の中で社会の仕組みを理解し、できることならば、成功者と失敗者を分ける普遍的な法則を体得することができないか、ということを考えていたのです。
僕がここで「成功者」と定義する人々は、経済的、あるいは社会的な分野で目覚しい活躍をし、現在でも多くの人々に影響を与え続けている人たちです。 逆に「失敗者」と定義する人々は、かつては経済的あるいは社会的な成功を治めたものの、長続きせず現在はその活躍の場をなくしてしまった人たちです。
この二者を比較すると、相違点よりは共通点ばかりが目に付いてきました。僕がこれらの人々に対して見出した共通点は以下のとおりです。
・個性が強く、独善的
・人の話を聞かないようで聞いている
・狡猾だが楽天的で、ものごとを深刻に考えすぎない
・なにかに対して常に巨大なコンプレックスを持っている
およそどんな成功者であれ、失敗者であれ、一度でも経済的・社会的に活躍した人というのは上記の特徴を持っているように感じました。
逆に知性という部分については、知性が突出していればいるほどそれが足かせになってより高次の成功を求めるが故に結果として小さくまとまっているような方が多いように感じました。
頭のいい人にとっての「社会的成功」とは、社会的ポジションの獲得を意味し、必ずしも一番を目指すわけではないのですが、それほど知性的特徴が突出していない人が目指すのは、「業界ナンバーワン」だったり、「売上高ナンバーワン」だったりといった、モノポリー的な価値観だったりするのです。
また、成功者と会っていても、失敗の予感を感じることがあります。その予感はたいていの場合、不幸にも的中してしまうのですが、その予感を感じる最大の要員は、「コンプレックスの強さ」です。
物凄く月並みな話に戻ってしまうのですが、「俺は成功している」と自称したり、「もう上がっちゃった」と自称したりしている人は、面白いほどすぐに階段を転げ落ちます。逆に「なんで世間は俺をもっと高く評価してくれないんだ」とか、「俺はこんなに成果を上げているのに、満足なほど影響力を持っていない(社会的ポジションを得られていない)」と絶えず社会に対するコンプレックスを持ち続けている人は、成功が持続するような気がします。
社会的な評価、という点では、学術的インパクトは十分な社会的評価を得るにはまだまだ難しいでしょう。それこそノーベル賞でも取らない限りは一般の人にはその研究の偉大さが理解できません(そして、コンピュータ科学の分野にノーベル賞は絶対に授与されないのです/ノーベルが数学者嫌いだったから)。
それだと経済的な成功の方が数字に出ているし、比較的「成功したか、そうでないか」が解りやすいのですが、実際にはこれも会社や収入の実態を反映しているわけではないので全く成功の基準としては適していません。だからそもそも「成功」の定義からしてあやしくなってくるのですが、ひとまずこれを経済的な豊かさを成功の基準と考えることにしましょう。
仮に経済的な成功を「総資産額」、社会的な成功を「知名度」で測るとしたら、どちらの場合においても、自分の記憶に頼り限り、やはりそれに対して知性が高いとか低いとかの因果関係はないと思います。
なんとなく思うのは、「成功している人は、成功者のライフスタイルを黙々と実行している」に過ぎないのではないか、ということです。
成功とは、ライフスタイルによって決定されるものであって、知性との因果関係はないとすれば、「頭のいい人が成功するとは限らない」というわけです。
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