「その人がなにをブックマークしているか」はとても重要な情報
「あなた、血液型は?」
「機密事項だ」
「どうして?教えてくれてもいいじゃない」
「ダメだ。万が一外部に漏れた場合、血液型から行動を予測される恐れがある」The Secret Agent
今更、言うまでもないことですが、ソーシャルブックマークは非常に便利です。
特にタグを付けて保存しておけるソーシャルブックマーク、はてなブックマークやdeliciousは便利で、僕は特にはてなブックマークを愛用しているのですが、タグを付けるときに他の人がつけたタグを適当にクリックすれば自分なりの分類ができあがる、というのが非常に小気味良く、また、あとからブックマークを探す場合も、適当にタグをクリックすると絞り込まれる感じが実に良くできています。
しかし、これは非公開にしています。
ソーシャルブックマークの性質上、非公開のブックマークというのはあまり社会に貢献しているとは言い難いのですが、会社の経営者がブックマークを公開すると、会社が密かに準備を進めている新製品や新サービスの情報が漏れてしまう可能性が高いような気がするのです。
たとえば僕のブックマークで、「Office2007 Grooveの使い方」みたいなものがあったとしましょう。
これを見れば、その人または会社が、Grooveの導入を考えているか、またはGrooveのようなP2Pベースのコラボレーションソフトの開発を計画している可能性があると考えられます。
まあ僕みたいな無名のソフト会社の社長が何に興味を持とうがどうでもいい話ですが、僕のいるような狭い業界であっても、沢山の競合があり、そこではミクロなレベルでの競争が行われているのです。だから会社の方針や計画を事前に見抜かれねのはあまり得策とは言えません。
たとえばこれが僕でなくて、エリック・シュミットや、スティーブ・ジョブスがブックマークを公開していたらどうでしょうか?
下手をするとそれらのブックマークはdigg.comよりもPVを集めるかも知れません。
そして、彼らがなにをブックマークしているかで、株式市場に大きな影響を与えることになるでしょう。
もしかしたら数年前のジョブスのブックマークには、携帯電話に関するページが多くブックマークされていたかもしれませんし、シュミットのブックマークにはOffice製品市場の動向を示すページが多くあったかも知れません。
これらは、噂のレベルであればまだ平気ですが、ブックマークされるとそれは突然、巨大な説得力を持ってしまいます。
ではブログはどうでしょうか。
エリック・シュミットやスティーブ・ジョブスがblogを持っていたとしても、digg.comよりも多くの注目を集めるとは思えません。
彼らの熱烈なファン(僕もその一人ですが)が世界中からアクセスすることは想像に難くありませんが、熱烈なファン以外は毎日更新される彼らのブログを丹念に読んだりはしないでしょうし、熱烈なファンであっても、よほどのことがなければ読み続けないでしょう。
もちろん全て想像上のことでしかありませんが、要するにどういうことかというと、人間一人をどんなに絞り出しても、得られる叡智というのは関の山だということです。
今は大量の情報を浴びるように消費する時代ですから、とても誰か一人の言説だけ読んでいては退屈なのです。人間一人のアウトプットにはやはり限界があります。
ではブログには、ブックマークを公開するような危険性はあるでしょうか?
ブログは、書く人間が書くべき情報をコントロールできます。
実際、もっと大きな会社の社長ブログは、社長が口述したことをライターが文章に起こし、それを広報部が検閲して出すこともあります。社長の発言というのはそれくらい影響力が大きいのです。特に会社が大きくなればなるほどその傾向は強まります。
コントロールできるということは、いま社外に知られたくない情報や、社内で密かに進行している情報などは全て隠すことができるということです。
逆にブックマークの数があまりにも少ないと、「この人はネットをぜんぜん見ていないんだな」ひいては「ぜんぜん勉強していないんだな」と思われてしまう危険性もあります。
ある分野の情報についてどんなページがブックマークされているかで、その人の技術力や理解力まで推し量られてしまうのです。かといって、自分がわからないし気に入ってもいないのに、人から見られることを意識してどうでもいいページまでブックマークするような習慣がついてしまうと却ってマイナスです。
なかなか難しいものですね
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