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2006年5月 6日 (土)

問題を解決する人と問題をつくりだす人

先日の「0から1と1から10」のエントリーがなんだか沢山アクセスをいただいているようなのですが、特に目新しい話ではありません。

それに関連して、もうひとつ思い出したのが「問題を解決する人と問題をつくり出す人は違う」ということです。

問題解決に適した人は、きっと以下のような特徴をもった人ではないかと思います。

 ・頭がいい
 ・事前に試験範囲がわかっていて、勉強さえすればテストはけっこう得意
 ・本を沢山読んでいて、必要な知識はどの分野の文献を読めばいいのかすぐにわかる
 ・どんな典型的な問題でも一目見ただけで3通り以上の解決策を瞬時に思いつく
 ・行動力がある。少なくとも非常にくだらないことを真面目に計算したり考えたりするのに労力を厭わない
 ・学習能力が高く、しかも新しい知識へ適応するのが早い
 ・専門用語や専門知識に詳しい

問題解決に優れた人は、技術力の高い人に多い傾向があるような気がします。
なぜなら、問題を解決するということは、そのまま技術水準の高さに直結するからです。

たとえばホンダがCVCC規制をクリアするエンジンを開発したのは、技術力と問題解決力の高さ故のことでしょう。

しかし、問題解決力が高いということは、そのまま問題発見力が高いということにはなりません。

問題発見力とは、人が全て当たり前だと受け入れていることのなかに矛盾点や疑問点を見つけ、問題を顕在化する能力です。

問題発見力の高い人は、きっと以下のような特徴をもっているのではないかと思います。

 ・頭がいい
 ・あまり口を開かないが、時々鋭い質問をする
 ・落ち着きが無い。つねにきょろきょろしている
 ・人の話を聞かない
 ・人の話の腰を折る
 ・「それはなぜですか?」という質問が多い
 ・知識そのものには興味がなく、仕組みや本質的なメカニズムに興味が集中している
 ・自分の専門分野以外のことも積極的に勉強しようとするが、本質さえ解れば満足なので深入りはしない
 ・専門用語をあまり知らない
 ・自分の経験しか信じない

こういう人と話をしているとハッとすることが沢山あります。
もちろん、問題解決力と問題発見力は相互補完的な能力ですから、人は両方を持ち合わせています。しかしバランスとして、問題発見力(または問題発見欲)の高い人ほど変人に見える気がします。

こういう人を何人か知っていますが、例外無く彼らはとてつもない問題を定義し、自ら考えた問題空間でのびのびと思考することをむしろ楽しんでいるように見えます。

僕が思うに、科学力や、その源となる科学の心、センス・オブ・ワンダーは問題を解決しようとする力よりも問題を見つけようとする力によって生まれているのではないかと思うのです。

たとえば問題発見力の高い人というのは、アインシュタインやフェルマーであり、問題解決力の高い人というのは、青色ダイオードを発明した赤崎勇教授やフェルマーの最終定理を証明したアンドリュー・ワイルズを指すというイメージです。

最近流行りの「アイテーアイテー」で同じみIT企業では、よく「ソリューション(解決案)」と言う言葉が使われます。「ソリューションビジネス(解決ビジネス)」という言葉があるくらいですから、問題解決能力というのは、やはり高く売れるようです。

逆に「問題提起ビジネス」という言葉はありませんし、問題を提起してもらってもたいていのクライアントは困るだけです。

だから問題提起をメインにしたビジネスというのはありそうでない分野なのかもしれません。
あるとすれば、そう

 「あなたが社会的に成功できないのは、ご先祖が大変な罪を犯したからです」

と現状の問題点を過去の因縁の問題として「定義」し、その解決を迫るというビジネスや、電通などの広告代理店がたまにやっている「ブームを作ってそのブームに参加するためのグッズを売ろう」というマッチポンプなビジネスモデルが浮かびます。

でも、iモードの発明はまさに問題発見能力の賜物(誰も問題だとおもっていなかった"ニッチタイムをどう過ごすか"という問題を定義し、解決した)だと思いますし、ソニーのウォークマンも同様な発想の飛躍がなければ生まれなかったのではないかとおもうのです。

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